ヴェルニゲローデ・おとぎの街
駅を降りたときから、あなたは、もう「おとぎの国」の住人。
駅舎も、オトギチックで可愛いのである。
クヴェドリンブルグといい、ここヴェルニゲローデといい、たしかに、ハルツ地方は、ロマンティク街道なんかより楽しいし、新婚さんやフルムーンには受けると思います。
マルクト広場のとんがり屋根の市庁舎も、周囲の木組みの家とよくマッチしていて可愛いい。
ヴェルニゲローデ伯爵の居城であったヴェルニゲローデ城へは、ビンメルバーン、シュロスバーンと称する色とりどりの観光列車風の乗り物で行く。
遊園地のおサルの電車みたいなものです。
運転しているのは、人間です。
汽車ポッポの形をした先頭車が、木箱のような小さい客車をいくつか引っ張っていく。狭い路地みたいなところも通れる。
ヨッロッパの観光地、特に、狭い道の入りこんだ旧市街で活躍しています。
馬車でも行かれますよ。
帰路は、森の中を下って歩いて街にもどってみた。ハイキングコースのように、よく整備されていた。
レストランのメニューもおしゃれ。ギャル好みで、味より見た目を大切にしている。
季節の味覚、アスパラガスはさすがだが、デザートのフルーツコンポートは凝りすぎ。
イチゴ、ビスタッチォはいいが、ここにもアスパラガスが入っている。おまけにシロップにはシャンパンが入っている。
ちょっと、やりすぎじゃあないかしら。
SL列車(ハルツ狭軌鉄道)で「ブロッケン山」へ・その1
ドイツは南部のヨーロッパアルプスの一部となっている地方以外、あまり高い山がない。
海抜1142メトルのハルツの「ブロッケン山」は周囲に山がなく、そこだけポツンと高いのでかなり目立つ。
「ブロッケンの妖怪」をご存知でしょうか。霧の中で太陽を背にして立ったとき、逆側にある霧で光が散乱され、その人の巨大な影の周りに虹の輪が現れる、単なる自然現象らしいのですが昔の人は恐れていた。
おまけにブァルブルギスの魔女の祭りでよく知られているように、年一度魔女の世界大会が開かれていた、すなわち魔女の住む山としても恐れられていた。
ところが、東西ドイツ統一前は、妖怪や魔女より、もっと恐いものが出現したのである。
すなわちブロッケン山の山頂に「旧ソ連軍の駐屯地」と「東ドイツ秘密警察のレーダー施設」があったのである。
もちろん、普通の人間は立ち入り禁止になっていた。
こうなると、妖怪も魔女も逃げ出してしまう。
これが統一後、SL列車の走る観光の拠点となり、毎日、多数の観光客が押しかけてくるようになった。
今の人たちは、妖怪を恐がらず、「魔女」を可愛いという。これでは、妖怪も魔女も調子が狂ってしまう。
彼女たちは土産物屋で働かされているのである。
「ほら、ホウキなんかにのって遊んでいる場合じゃないよ。店先の掃除をしなさい。掃除を」なんて。
今は、山頂には「テレビ塔」のほか「博物館」「ハイクングコース」などのレジャー施設がある。
なお、ヴェルニゲローデの市内に、鉄道模型屋さんがあり、ここでハルツ狭軌鉄道の模型を走らせている。これが、また楽しい、オコチャマにまじって半時間も眺めていた。
そして。これはホンモノそっくり。お土産のティーシャツを買って店番のオバサンの歓心を買い?ビデオをとらせてもらった。
SL列車(ハルツ狭軌鉄道)で「ブロッケン山」へ・その2
ドイツでも、国鉄は民営化されていて「ドイツ鉄道株式会社」(Die Bahn)になっています。
これは、JRのようなもの。ハルツ狭軌鉄道は、箱根登山鉄道のような最初から民営の鉄道会社です。
だから、ここも「ドイツ鉄道フリー切符」は通用しません。
ただ、ここも日本語のパンフはしっかりご用意していました。
ここで、私の乗ったSLもアタマが「99」のものでした。
そうそう、知らなかったのですが、SLというのは、日本製の略語なのですね。
この会社で一番古いものは、1897年製。1950年代製造のものが50台あるそうです。
機関車というのは人間的ですね。
精一杯がむしゃらに急勾配を登っていく姿。
「ポォツ」という悲しげな声。ときには「ハツ」というため息をつく。
そんな健気なSLが、森林の中を抜け、渓谷に沿って走り、草原をひたすら走ってブロッケン山にのぼるのですから、もうワクワクします。そして、煤煙で汚れるのも厭わず、ビデオカメラをまわし続けたのでした。
ところが、「ここぞ」という景色で、撮影しようとする私の前に、背の高いアンチャンが必ず登場するのです。そして、私のカメラの前に立ちふさがる。本人は別に私の邪魔をするつもりではないのでしょうが結果的にはそうなるのです。
今度こそーーー張り切っていると、また邪魔をされる。そんなゲームをやっているうちにブロッケン山頂駅に着きました。
その日は快晴で、ブロッケン山から遥か遠くまで見晴らせました。
もちろん、ブロッケン現象の起きる余地もありません。
この山頂の屋台の名物は「豆のスーブ」。
レンズ豆、豌豆などいろいろな豆をぐつぐつ煮込んだどろっとしたスーブ。
それに、大きなソーセージが突き刺さっていました。
晴天でも、山頂の風は冷たい。熱いスープは山頂散歩でカラダの冷え切った人たちを暖めてくれます。
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